技術者集団、石川 革のことならお任せあれ

株式会社 石川

財布、キーケースなど紳士用の高級皮革製品をOEMで生産しているメーカー。業界主催の革製品技能試験で最高位1級合格者の約半数を輩出する。2017年4月に移転した工場内は皮革産業の本場・イタリアにならい明るく清潔で、若い職人も多数在籍する。

革製品製造
Ishikawa Co., Ltd.

株式会社 石川

住所
〒136-0074 江東区東砂2-11-25
tel
03-3644-4601
fax
03-3644-4631
代表
石川 豊
URL
http://www.iskwjp.com

安定した仕入れが品質の鍵

「狭い、古い、汚い」が職人の常識だった時代は終わった。新しい取引先が作業場を訪ねる中、どんなに良いものを作っていても作業場が汚くては信頼を得られない。2017年4月に本社を移転。石川では、広くクリーンな作業場で職人はみな白衣を着て作業を行っている。

製品の購買層は40代が中心。多少値が張っても品質の良い、確かなモノを求める人々に喜ばれている。OEMのため名が表に出ることはないが、石川の手掛ける製品はどれも市場を代表する人気ブランドばかりだ。

そのため、素材の調達にも細心の気を配る。革販売店からなるべく傷のない良い革を仕入れている。上質な素材は数に限りがあるため、高級ブランドがトップクラスの原皮を買い取ってしまうと良い素材を手に入れられなくなる。定量を安定的に仕入れることで品質の良い革を確保してくれる、この革販売店との信頼関係が石川の製造する皮革製品の品質を支えている。

若手職人がベテランと技術を研鑽する「虎の穴」

工程は手作業とミシンが約9割を占める。社内に所属する職人は15名だが、全国の職人と分業してその工程を補う。手の込んだ工程は必ず社内で請け負い、その品質を確実に担保している。もっとも、機械工業のようにボタンを押せば仕上がるものではないため、得手不得手や経験差など職人個々の技量の違いが顕れるのはやむを得ない。その点は社内でもベテラン若手混合のグループを組み作業に携わることで、互いの仕事を見て研鑽している。

工場体制で量産の仕事を請け負う石川だが、大半が手作業であるゆえに、職人としての技術伝承に対しては並々ならぬ思いがある。全国でも12名しかいない革製品技能試験小物紳士部門1級取得者のうち7名は同社が輩出(2018年1月時点)。技術の習得とその評価に対しても意識は高い。専門学校に求人を出し、ものづくりの好きな若者を積極的に採用していることにも、その一端が窺える。

「中国や海外の量産体制が主流になった時代、技術伝承の繋がりが途絶えてしまったと思うんです。我々がもう一度(技術を)しっかり残して、一級職人を輩出していかないと」と石川専務。トップクラスの皮革職人が集う工場に、ものづくりを志す若者が続々と訪れる。日本の皮革産業の「虎の穴」を株式会社石川に見た気がした。