あの装飾も?全国各地に3000件以上の実績
アルデコは主に外装で使われる装飾材。基材にパウダービーズに空気を入れて発泡したEPS(発泡ポリスチレン)を使用し、ニクロム線でカットして製造する。EPSは紫外線に弱いため、さらに自社オリジナル塗材「ネフ」(樹脂剤と砂とセメントを混ぜ合わせた塗料)でコーティングする。これによって建材としての表面が補われる。外装モールとして見る限り石材類と見分けがつかない表情となる。
実は、大規模アウトレットモールをはじめ結婚式場、葬祭場、幼稚園、ホテルなど様々な場でインターデコムの技術は活躍している。北海道から沖縄まで全国至るところに同社の実績を目にすることができ、現在も岡山で新しい案件を手掛けている。「自分たちで作った製品が建物に取り付けられ、完成した姿を見たり、家族や友人に自慢できると嬉しい」社員は口を揃えて言う。
金型不要、個人宅からのオーダーメイドも大歓迎
従来の装飾材の多くは金型を使用して作られ、そのためデザインやパーツの数に応じて金型が必要になる。しかしEPSの強みはデータさえあれば単品からマシンで切り出せること。量産には時間がかかるものの、逆に小ロット・多品種には強い。コストダウンしつつオーダーメイドにも対応できるため、個人宅からの注文も増えている。そのうえデザインテンプレートがあらかじめ用意されているイージーオーダーなら、図面製造の手間が省け、工期を圧縮することが可能。注文が高まるのも納得できる。
設計事務所にルーツ、実装時の設計まで詳細な話ができる
さらに地震大国日本において、耐震性や建物の強度は永遠の課題でもある。外壁に装飾を施すなら、建物の負担にならない軽い材料のほうが良い。アルデコによって、建築物のより自由な装飾を実現した。中世ヨーロッパの曲線美から純和風建築のなまこ壁まで、高い自由度をもって実装できる。
細かな納まりや取り合いまで考えることができるのは、インターデコムのルーツが設計事務所にあるゆえ。もし同社が発泡スチロールのメーカーであれば、ここまで耐震性や設置強度のバックアップができなかっただろう。装飾材のメーカーでありながら実装の話ができるのは、ゼネコンや工務店などのパートナーとして心強い。
創業時より手掛けている商材は「アルデコ」製品のみ。しかし、それだけアルデコには可能性があるということ。どんなものが作れるだろう、お客様はどんな顔で建物を見上げるだろう、そんな想像を膨らませながら働く社員の表情は明るい。