水フィルター「ぶくぶくジェット」で排気をクリーンに
東京スカイツリーや虎ノ門ヒルズ、東京競馬場など大規模な施設からスーパーやコンビニ、飲食店までさまざまなところに導入されているのが、トーショー機材が製造するグリス(油煙)除去装置「ぶくぶくジェット」。厨房の排気フードに取り付けると、排気を吸い込む際に水フィルターが作動。排気を「洗浄」し、油分や臭気、熱を徹底的に除去する。
「昔は『料理のにおいをあえて外に振りまいて、お店をアピールする』という飲食店もあったかもしれませんが、今はもうそんな時代ではありません。いかに近隣住民の方に今まで通り、穏やかに暮らしてもらえるか。特に住宅密集地でチェーン店を運営する企業は『環境配慮』にますます関心が高くなっているようです」と話すのは、深見現会長。20年ほど前、ダクトの消火装置を共同開発したことをきっかけに、厨房の排気に水を通す「水フィルター方式」に着目。故障などが起こりにくい、よりシンプルな構造である「バブリングシステム」を開発し、特許を取得した。パンチングパネルで水にバブル(泡)を発生させ、油分や臭気、熱を洗い流すことで、匂いの拡散を防ぎ、ダクト火災を予防することができる。
細かなメンテナンスで環境性能を発揮し続けられる
機器をシンプルな構造にすることもさることながら、維持管理も非常に重要。メンテナンスを継続的かつ定期的に行うことで、本来の環境性能を発揮することにもつながる。同社は、使用頻度によって柔軟に対応しながら3〜4ヶ月ごとのスパンでフィルターを洗浄し、「いつも清潔な調理環境」を実現している。
2016年度は製品販売で約2億円、メンテナンスで約1.2億円の売上を計上し、2017年度は更なる伸長を見込む。「現状では費用面で諦めてしまう事業者もいるかもしれない。なるべくランニングコストを抑え、導入へのハードルを下げることで、より多くの方々にぶくぶくジェットの『環境配慮』『防火』という価値を伝えていきたい」(深見会長)。人々の暮らしが多様化していく中、高層ビルでも住宅密集地でも「ストレスレスな環境」がますます求められている。ぶくぶくジェットは事業者の果たすべき責任をサポートしてくれる強い味方と言えるだろう。