令和5年度江東ブランド 認定式を執り行いました。

News: 2023. 11. 28

今年度は、厳正なる審査の結果、新たに5社の企業が認定されました。

・株式会社IDDK
小型顕微鏡の研究・開発
代表が前職でイメージセンサー開発に従事していた際に、半導体チップの上に物体を乗せた際の各メッシュにおける光透過率の差分により像を描く、すなわち光学レンズを用いず検体をチップに載せるだけで顕微観察を行うという画期的な映像技術を開発し、スピンオフにより起業した会社である。装置のサイズや重量は通常の光学式に比するに値しないほどに優位であり、特に宇宙分野における引き合いがとても大きいものとなっている。まさに技術革新を体現した企業と言えよう。

・有限会社市瀬硝子工芸
ガラス製品への印刷加工
主にシルクスクリーンを用いてガラス製品への印字・転写を行うことを得意とした会社である。特に他社が断りたくなるような「足が細いもの」や「薄いガラス」へのプリントも積極的に受注しており、こうした姿勢から技術力の高さが十分にうかがえる。一方で材料に関する研究を産学連携にて実施するなど、自身の強みや特徴などをより高めていこうとする能動的な姿勢もあり、審査会ではこうした積極的な企業姿勢を高く評価した。

・株式会社小林
紙製品の加工・制作
レジなどに使用するサーマルロール紙や社員証などのカード類の製造を得意とする会社である。帳簿用紙等の紙製品製造にて創業し、1960年よりロール紙の製造を開始した点を鑑みれば、創業時から大きく業態を変えることなく、実直に高品質な製品を生み出してきたという信頼性が十分にうかがえる。一方、近年では営業部を主体としたニュービジネス推進チームが立ち上がり、竹紙サーマルロールや自着テープなど、新たな商品へと結実している。審査会ではこうした今を大事にしつつ未来に向けて積極的に活動する姿勢を高く評価した。

・株式会社ナカジマコーポレーション
フィギュア、ぬいぐるみの企画・OEM
セルロイド人形に端を発し、現在においてはぬいぐるみを中心としたキャラクターグッズ製作の総合コンサルタントとも言えるような立ち位置にある創業100年を超える老舗企業である。特にぬいぐるみの設計力は群を抜いており「ぬいぐるみといえばナカジマ」と言われるほどである。この由縁は「キャラクターの構成や物語を汲んで丁寧に設計する」というポリシーに隠されている。まずもって「丁寧なものづくり」が重要であり、すべての根幹となることを改めて教えられる企業でもある。

・ヤマト通信工業株式会社
通信機器の設計・製造・販売
業務用サーバーラックの開発、製造において長年の実績を持つ、まさに「知る人ぞ知る」老舗企業である。重要かつ膨大な情報を預かるサーバーラックには、データ破壊を防ぐべく制震性・堅牢性・放熱性・静音性など実に多くの、そして極めて精細な設計要件が課される。この内実はいわゆる「四力」と呼ばれる材料力学、流体力学、熱力学、機械力学の集合知を結集して初めて高い信頼性のある製品を製造できるものであり、一朝一夕に真似できるものでもない。そういった点において、高い技術的信頼性を維持し続けている当該企業を「たゆまぬ技術的研鑽を続けている優秀な企業」として高く評価した。

令和5年度 江東ブランド認定式
日時:2023年11月15日(水)
場所:江東区産業会館