「燃えない木材」が 建築の可能性を広げる

株式会社 アサノ不燃

木材にホウ酸などを用いた「セルフネン液」を特殊技術により含浸。木材の風合いはそのままに、延焼せず、有毒ガスを出さないという「燃えない」木材を開発。木塗り壁、和紙、繊維なども独自の技術で不燃化し、建築材の新たな可能性を切り開いている。

不燃木材等製造販売
Asano Non-Combustion Co., Ltd.

株式会社 アサノ不燃

住所
〒135-0016 江東区東陽5-28-6 TSビル5F
tel
03-6666-0315
fax
03-6666-0310
代表
浅野 成昭
URL
http://www.funen.jp

「不燃化技術」で木の弱点を克服

日本において古くから幅広く活用されてきた木材。けれども建築様式が近代化される過程で、木造建築が鉄骨・鉄筋コンクリート建築へと置きかわってきたことも確かだ。「日本の国土の7割近くが森林を占めていますが、手間隙がかかるのになかなか高値がつかない。このまま林業が衰退し、森が荒れ果ててしまっては、水害や獣害など大変なことになってしまう。なんとかしなければ、と思ったのです」と話すのは、浅野社長。一級建築士やインテリアデザイナーとして建築界の第一線で活躍してきたが、45歳の時に転機が訪れる。木造建築の実家が火災で全焼したのだ。「地元の消防団にも長年携わっていましたから、『木は燃えるもの』と理解していた。けれども実際に焼け落ちた家を見て、素直に受け入れることはできなかった。木の弱点を克服し、『燃えない』『腐らない』木材を作れば、非常に価値ある植物資源になるのではないかと考えたのです」。

日本中の山を「宝の山」に

2001年に開発した「セルフネン不燃木材 SUS▲NOH(スサノオ)」は、木材にホウ酸などを用いた「セルフネン液」を特殊技術により含浸。木材の風合いはそのままに、炎を近づけても延焼せず、有毒ガスを出さないという「燃えない」木材。防腐・防カビ・防蟻効果もあるため、まさに木の弱点を克服した画期的な建材と言えるだろう。また、リサイクル可能で、燃焼によるCO2発生を抑制するため、環境負荷軽減にも大きく寄与。独自の不燃化技術は壁材や織物、和紙、発泡ウレタンなど様々な素材にも転用可能で、「災害に強い住宅づくり」への可能性を広げる。近年、持続可能性を追求するため、改めて現代における木造建築が見直される中、不燃木材が資する環境性と安全性は、極めて重要なものになると言えるだろう。「東京から不燃化技術を発信し、もっと多くの方に『不燃文化』を知っていただきたい。そしてかつての勢いを失ってしまった日本の林業を復興し、日本中の山を『宝の山』にしたいんです」と浅野社長。豊かな森を擁する日本の未来に光を当てている。