なんでもござれ ガラスの百貨店

精研硝子株式会社

1974年創業。耐熱ガラス、強化ガラスなど特殊ガラスを扱い、少量多品種の加工への対応力は業界内でも「東の精研」と名高い。特に海外メーカーの特殊ガラスの輸入代理店も請け負っており、材料の豊富さは国内有数。メーカー、研究所からの引き合いも多い。

特殊硝子の加工・販売
Seiken Glass

精研硝子株式会社

住所
〒136-0074江東区東砂3-16-29
tel
03-3640-5851
fax
03-3640-2203
代表
戸井田 路洋
URL
http://www.seiken-glass.co.jp/

材料の品揃えは国内有数、少量多品種に対応する「東の精研」

1000℃の熱にも耐える耐熱ガラスをはじめ、特殊ガラスの仕入れと加工を行う精研硝子は、半導体の製造に必要な治具や内視鏡のレンズなど、社会の最先端で使われるガラスを多く扱っている。どれも高度な技術領域のため情報は非公開だが、医療、電子機器、理化学、宇宙科学など、さまざまな分野で私たちの生活の一端を精研硝子が担っている。

1974年の創業当初は支給材料による加工専業だったが、半導体需要の高まりに応じて材料を拡充。海外のガラスメーカーの輸入代理店にもなっており、「材料の豊富さは東日本で随一」と自負する。また、材料や用途に合わせた25種におよぶ加工設備によって、調達から加工まで一貫して対応することができる。その評判は全国に知れ渡り、北は青森、南は九州から注文が集まる。

精研硝子は、量産より試作や特注加工に対するニーズが高く、少量多品種の注文で強みを発揮する。普通のガラスと違って特殊ガラスは材料の単価が高く、試作や検討段階が重要になる。しかしその反面、少量の販売や1点の加工に対応する工場は少ない。仕入れから加工までを扱う精研硝子は、材料の提案や試作など、小ロットでも柔軟に対応できるため、大学の研究所や大手メーカーの研究開発部門からの依頼も多い。

豊富な材料と機械を操り、ニーズに応える技術力が真の強み

江東区はガラス工業の集積地だが、精研硝子には同業者からも加工の依頼が舞い込んでくることがある。例えば、ガラスを1枚切る場合、精研硝子では手作業で切ることができるが、他社では都度機械を動かさなくては切ることができない。精研硝子の本当の強みは、豊富な材料と機械を活かすことのできる職人たちの技術力にある。

精研硝子の加工するガラス部品は、薄いものや小さなものも多く割れやすいため、繊細な技術を要するガラス業界内でも特に技術力が求められる。機械を活用することで幅広い加工を実現するのはもちろんだが、最終的には研ぎ澄まされた匠の技が精度を高めている。

彼らの仕事が表に出ることはほとんどない。しかし、彼らの技術がなければ社会は成り立たないということを、彼らはよく知っている。確かな技術と尽きない需要を武器に、縁の下の世界を楽しんでいるように見える。