いつでもどこでも だれでも 顕微観察実験

株式会社IDDK

株式会社東芝で半導体開発に従事していた代表が、半導体チップで顕微鏡と同様の観察ができる仕組みを発見。2017年に技術とともに独立し事業化した。現在はMID技術の開発と推進を軸に、顕微観察装置の製造・販売も行う。

小型顕微鏡の研究・開発
IDDK

株式会社IDDK

住所
〒135-0047 江東区富岡1-12-8 アサヒビル309
tel
03-6821-1873
fax
なし
代表
上野 宗一郎
URL
https://iddk.co.jp/app-def/S-102/iddk_wp/

半導体技術によって、顕微観察をてのひらサイズで実現

木目に包まれた10cm足らずのスティックをパソコンに接続する。傍から見れば何の変哲もないUSBメモリのようだが、実はこれがIDDKの開発した顕微観察装置「AminoME(アミノメ)」。AminoMEはエントリーモデルで、専門家でなくても気軽に顕微観察を楽しむことができると科学好きの大人を中心に年間200〜300台売れている。
一方、大学や企業などで研究者が利用するプロユースの「Cellany(セラニー)」はAminoMEより大きいものの、片手に乗る大きさの筐体で細胞観察ができる。どちらの装置も、内蔵する半導体チップによって、研究者の間で広く普及している総重量20〜100kgほどの生物顕微鏡と同等性能を発揮する。

研究所の省スペース化が宇宙でのバイオ実験に革命を起こす

0.001mmの世界まで観察できる彼らの技術は、主にバイオの世界で活躍する。機器のコンパクトさも相まって、医薬品の開発や水質研究、養殖漁業など、活躍の場は多種多様。また、目に見えない微粒子の形や大きさを確認するという点で化粧品の製造工程における品質管理にも応用が期待されている。
IDDKの技術は国内のみならず、海外でも注目を集める。特に宇宙におけるバイオ研究の領域では、ISS(国際宇宙ステーション)計画に参加していない東南アジア各国の実験場所の確保は大きな課題となっていた。それがIDDKの開発したMID技術(ワンチップ顕微観察技術)により、弁当箱ほどの大きさの小型ユニット内で実験が完結するとなれば、導入しない手はないだろう。

顕微観察を通じ、宇宙への一歩を若者に提供したい

「IDDK」という社名は、「いつでも・どこでも・誰でも・顕微観察」の頭文字に由来する。MID技術を世の中に普及させることで社会を変えようと模索する中、宇宙・バイオというテーマに出会った。そして今は教育というテーマにも着目している。
彼らは20年後、30年後の宇宙業界を担う小・中学生に向けて、宇宙実験の提供を企画している。それは人工衛星に実験ユニットを積み込み、その成果物を再び手に取るというもの。間接的に宇宙に触れるこの体験は、未来を担う若者にとって偉大な一歩となるに違いない。