お客様の困りごとから生まれた「プラパート」
「私たちの会社の強みは、営業部隊。これまで世に送り出した製品のほとんどは、お客様の声を元に開発されています」と話す大野社長。同社の営業部隊が、お客様の困りごとに眠るニーズを丹念に拾い上げ、優秀な設計・開発部門が形にしてきた。同社のプラスチック製品を指す登録商標「プラパート」は、業界内においてプラスチックパーツの代名詞として使われており、オリジナル製品の高い存在感がうかがえる。さらに、60種類以上のパーツで特許を取得。発明会社とも呼べる実績を残している。
物を長く、大切に使うことが求められる時代、小さなパーツが持つ改善力が必要とされることは疑いない。家具のがたつきや、床の傷を防止するアジャスター、椅子や医療器具の引きずり音を吸収するパーツ、薬品収納用のプラシャッターなど、家具や人にかかるストレスを軽減し、快適な生活環境を整える製品をこれからも発信する。
取引相手は1,000社以上。次は海外展開を目指す
同社と取引のある会社は、家具メーカーや医療施設を中心に全国1,000社以上。先代からの方針を受け継ぎ、幅広いお客様から支持される会社となるべく、営業担当が取引先との信頼関係を築いた。全国に多数の顧客を抱えることで、チャレンジの場が増えて技術が磨かれ、事業基盤も安定。新製品の開発や、新規マーケットの開拓に乗り出す原動力となっている。
取引先の多さは、多品種小ロットの生産に直結する。多品種の企画、製造、管理には苦労も絶えないが、付加価値の高い商品をつくり続けることで、大手企業が参入しづらいマーケットを開拓できたことは、同社の大きな武器といえる。
毎年必ず新製品を開発し、2年に一度は単独の展示会も開催。経営理念として「パーツメーカーとしてこだわりを持った商品を作り世界のお客様と喜びをわかち合い共に成長したい」と語る同社は、現在ヨーロッパへの進出を見据えて組織全体を強化し、着実に準備を進めている。